品質改善プロセスの行列表現による記述モデル
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ソフトウェア生産の自動化が進んできているが,事務処理のような機能のパターン化が容易な分野以外では必ずしも普及しているとはいえない.したがって,現時点において高品質のソフトウェアを開発するには,人間側の努力がかなり必要となる.一般に品質向上の施策としてレビューと検査がある検査の前までにいかに品質を作り込むか,また検査ではいかに残存エラーを少なくするかが問題となる.そこで,レビューや検査の施策に対する努力の投入量と,その効果との関係を知り,品質改善のプロセスの最適化をはかることを本研究の目的とする.本論文では,ソフトウェア開発における品質改善プロセスを開発期間と検査期間とに分け,エラーが作り込まれ,摘出されるプロセスを2×2の行列による記述モデルで表現する.開発プロセスは,(エラーの作り込み)と(エラーの摘出)が開発工程の数だけ繰り返されると考え,両方のモデルを定義した.また,検査プロセスは,(エラー摘出の軌跡)と考え,摘出エラー数の推移を離散型の信頼度成長モデルで記述した.これらのモデルに基づいて,開発・検登プロセスを定量的に管理・改善する方法を提案する.最適施策としては,累積エラー数が増すにしたがって,すなわち工程が進むにしたがってエラー発率を大きくしていくことである.これにより検査開始時における含有エラー数が押えられる.検査工堤では,本モデルは検査環境の変化によるパラメータの変化に柔軟に対応できることがわかった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-07-15
著者
関連論文
- ソフトウェア品質計測/保証技術(SQMAT)
- 品質保証を中心としたプロジェクト管理方法論--STEPS2で提供するSQAP,SQMAT (SWQC)
- ソフトウェア品質計測/保証技術(SQMAT) : 支援ツールの開発
- プロセス成熟度モデルによるISO 9001への適合度評価
- ソフトウェア品質計測/保証技術(SQMAT)
- 品質改善プロセスの行列表現による記述モデル
- SQMATおよびGQMの活用による計量管理環境の改善