メタ文法を用いた文字列照合パターンの作成と編集
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概要
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形式的文字列照合機能は基本ソフトばかりではなく,CAIにおける解答照合や,認識の構造記述などにも広く利用される.しかし応用によっては始めから目的の照合パターンを決めるのが困難な場合があり,ユーザが試行錯誤により照合パターンを作成編集するための支援機能が必要である.本論文は照合パターン自身を照合するメタレベルの照合機能を用いて,目的の文字列照合パターンを編集改良する方法を示す.まず,文脈自由文法に基づいた汎用の文字列照合変換プログラムを開発し,その照合文法形式自身を照合するメタレベルの照合文法を自己記述する.このメタ照合文法を土台にして,任意の文字列照合文法を照合・変形するための,メタレベルの変換文法を作る.メタ変換文法として以下の例を示す.(1)文字列の摂動的な変動に対処するための,段階的照合機能拡張.(2)照合文法の簡単化.応用例として英会話のCAIを取り上げ,生徒のさまざまな解答に対処する照合パターンを,実際の解答例から段階的に生成編集することを試みた.予備的な実験の結果,次の効果が確認された.(1)ユーザが直接文法形式を入力せずに照合パターンの生成編集ができる.(2)目的の文法と,メタレベルの文法に同一の照合機能を用いるので,一元的な管理ができる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-02-15