シミュレーション・システムとしてのスプレッド・シートの機能拡張
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概要
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スプレッド・シート・プログラムは非常に便利なツールとして広く世の中に受け入れられている.しかも,多くの場合,単なる集計用ツールとしてではなく,将来を予測するためのシミュレーション・システムとして用いられている.ただし,スプレッド・シートは,本来,集計用ツールとして開発されたため,シミュレーシン・システムとしては問題点があるそれは,セル間の依存関係を関数という形式で暗黙的にしか表現できないことである.この結果,現在のスプレッド・シートでは,一方向の再計算機能しか実現できない.我々この問題に対処し,スプレッド・シートをより強力なシミュレーション・システムとするための機能拡張として,モデル化手段としてセルとセル間に成立つ関係を用い,関係中にセル間の依存関係を伝搬制約として明示的に表現すること,および,すべての伝搬制約を満たしながら再計算を実行する双方向再計算機構を提案した.この拡張されたスプレッド・シートが提供するモデル化手段と双方向再計算機能により,スプレッド・シートはより強力なシミュレーション・システムとなると期待される.また,双方向再計算を実現する本手法は,スプレッド・シート特有のものではなく,伝搬制約という制約を考慮した場合の制約伝搬問題に対する一解答を与えていると考えられる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-15
著者
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