数式処理プログラムによる線形回路の記号解析
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概要
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本稿では能動素子を含むアナログ回路において,複素周波数sおよびすべての素子値を記号としてとらえた記号解析を,数式処理言語REDUCEを用いて行うプログラムについて述べる.本プログラムは抵抗,キャパシタ,インタクタ,相互結合インタクタ,独立電圧・電流源および電圧制御電流源からなる,定常状態にある線形回路の記号解析を行うものであり,すべての枝の電流,電圧を式の形で求めることができる.またREDUCEによる解析の前に,回路中すべての直,並列接続されている枝を探索し,これらを抽出することにより回路の規模を小さくする前処理を行っている.これによってREDUCEで解く回路の節点数,枝数を少なくすることができるため,結果としてより大きな規模の回路を解析することができる.さらに解は関係の深い素子ごとにまとまった形で出力されるため,結果から回路の特徴を調べる場合でも分かりやすくなり,また数値的な解を得る場合にも乗算回数が削減されるため演算誤差が小さくなる利点もある.解析手法にはカットセット解析を用いているが他の解析手法でも同じ様なプログラムを開発することは容易である.2つの解析例を示している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-06-15
著者
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菅原 一孔
神戸市立工業高等専門学校電気工学科
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菅原 一孔
神戸市立工業高等専門学校電子工学科
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柿本 秀樹
神戸市立工業高等専門学校電気工学科
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堂野 正弘
神戸市立工業高等専門学校電気工学科
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落山 謙三
神戸市立工業高等専門学校電気工学科