部分更新レイトレーシング
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概要
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固定された視点の下での連続する映像に対するレイトレーシングの処理時間を,変化の起こった部分のみを再計算することによって高速化する方式を提案する.この方式は映像全体を再処理することなしに,モデルの幾何,質感,および光源変更によって変更された映像を生成することができる.本方式では,光線に着目した記述を履歴情報として保存する.この情報は再計算が必要な部分の決定や効率的な更新計算を行うために使われる.履歴情報として,光線追跡木に光線や可視物体の情報を付加した拡張光線追跡木を考案した.また,変化の影響を局所化するためにボクセルデータ構造を使う.ボクセルデータを用いて表現された光線の軌跡と変化ボクセル要素から再計算五を制限する.膨大な履歴データのアクセスが本方式の実現上の鍵となる.アクセス量を限定するために,ハッシング技法を導入して変化光線を高速に同定する.また選択的な履歴データのトラバースを行って,効率の良い部分更新処理を実現する.実験結果より映像全体を生成する場合に比較して,数〜百倍ほどの高速化が達成された.本方式の実現によって,高品質な映像を対括的あるいは連続的に生成するような分野でのレイトレーシングの実用化が可能となると考えられる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-06-15
著者
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