高水準言語のコンパイル過程の並列処理の研究
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概要
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ソフトウェア開発においてプログラマの不足という問題はますます深刻になりつつある.この問題の1つの解決策としてプログラム開発の効率化が挙げられる.われわれはその中でも,開発時に繰り返し行われるコンパイル処理時間の短縮に注目した.本論文ではマルチマイクロプロセッサシステムを用い,テキスト分割割り当て方式によるコンパイル処理の並列化方式を提案する.コンパイル過程を大きく4つのフェーズに分けると,(1)スキャン,(2)字句解析,(3)構文解析,(4)コード生成となる.(2),(3),(4)はステートメントやブロックのレベルで局所性を持つ処理であるため,処理内容,手順の多少の変更のみで並列化できる.これに対し注釈文の削除,文字列のテキストの本文からの分離等を行う(1)は逐次性が強いために,単純にテキストを分割して並列処理を行おうとしても各境界点の状態が判明し荘いためコンパイルすることはできない.そこでわれわれは,まず境界点の状態を予測し,次にプログラムが持つ"常識的な性質(知識ベース)"を利用して状態を修正する,という予測修正法を用いてこの過程の並列化を行った.さらに本方式の有効性を明らかにするために,実際にCコンパイラを製作し,当研究室で製作したバス型のマルチプロセッサシステム上で,いくつかのテキストに対してコンパイルを行ったところ,16台のマルチプロセッサ構成で9倍程度のスピードアップ比を得た.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-05-15
著者
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