三角補間の誤差解析
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概要
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高速Fourier変換(Fast Fourier Transform,以下FFTと書く)なる計算法が多くの分野で使われている.この計算法により計算される量は離散Fourier係数(Fourier係数の近似値)または三角補間式(あるいは三角多項式)の値である.FFTが非常に広汎なデータに対して適用される計算法であるにもかかわらず,解析的周期関数の場合を除けば,離散Fourier係数や三角補間式の誤差解析は十分には行われていない.FFTは不連続点を持つような周期関数に対しても適用されているのでそのような状況のもとでの誤差解析が必要である.誤差解析とはその計算法の品質保証であり実用上の適用限界を知る上で極めて重要である.この論文ではまず,区分的に十分に滑らかな周期関数(幾つかの不連続点を持っていてもよい)に対する離散Fourier係数の誤差項を導く.その際,"Fourier係数の漸近展開式"と"Aliasingの式"とを使う.導かれた誤差項は積分表現を含む正確な式である.これを使って次に三角補間式の誤差項を導く.導かれた誤差項は三角補間式の誤差の"閉じた形"である.さらにこれらの結果を使って,十分に滑らかな周期関数に対する離散Fourier係数および,三角補間式の誤差限界を導く.得られた結果から三角補間の誤差の性質がわかる.本論文での解析によって,三角補間の打ち切り誤差がどのような成分から成っているかが明白になった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-02-15
著者
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