プラント診断エキスパートシステムにおける段階的に異常原因を絞り込む推論方式の提案
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概要
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製造プラントの異常診断を迅速かつ高確度に行うことを狙いとした診断用エキスパートシステムを研究している.大規模プラントの診断を行う際には,熟練技術者は,検査データを段階的に収集し,それに基づき逐次原因を絞り込むという方法をとるしかし,従来のプロダクションシステムは,あらかじめ診断のために設定したデータをすべて揃えてから推論を行うことを前提としているため,このような段階的推論を実現することは困難である.この問題点を解決するために,次の3点を特徴とする段階的推論方式を提案する(1)ルールの前提条件項目のうち,成立/非成立が確定した条件項目だけを選択的に適用して推論を行う.これにより,各段階でデータを部分的にしか収集していなくても,収集したデータの範囲内で推論を実行できる(2)従来のように確信度をルールごとに設定するのでなく,ルールの前提条件項目ごとに設定する.そして,あるルールの条件項目が成立したら,それに応じてそのルール全体の確信度が上がるようにする.これにより,データ収集量が増加するのに伴い,推論結果の確実性を高めることができる.(3)熟練技術者の有するデータ収集順序に関する知識をルール内に記述できるようにし,未熟練者に対して診断のガイタンスを行えるようにする.以上の段階的推論方式を,ある製造プラントの異常診断システムに適用して実験を行い,未熟練者であっても迅速かつ高確度に診断を行えることを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-11-15
著者
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