高速自動微分法の定式化と計算複雑度の解析
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概要
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高速自動微分法は,数値計算と数式処理の中間に位置し,多変数の関数の正確な勾配を変数の個数によらずに高速に計算し,かつ,関数値に含まれる丸め誤差の評価も行える手法である.しかも,この手法はヘッセ行列とベクトノレの積および(ベクトル値関数の)ヤコビ行列とベクトルの枝をも変数の個数によらない手間で計算できるので,非線形最適化などの分野で基礎的な技術となるものである.この論文の目的は次の2点にある.第一点は,計算グラフに対してその部分計算グラフという概念を導入し,さらに部分計算グラフのBU拡大とTD拡大という操作を定義することによって,関数の中間変数に関する偏導関数の定義と高速自動微分法の算法の記述とを従来よりも厳密にすることである.第2点は,四則演算といくつかの初等関数を用いて友される関数に対して,関数自身の計算複雑度を基準として高速自動微分法の算法の計算複雑度を詳しく解析し,勾配計算は関数計算の4倍以下の総演算回数で可能であり,またヘッセ行列とベクトノレの積の計算は14倍以下の総演算回数で可能であることを示すことである.
- 1988-06-15
論文 | ランダム
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