HCP図法で記述されたプログラム解法のS代数による定式化
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概要
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一つの問題に対して複数のプログラムができる.このプログラムの差異は解法にあると考えられる.この解法の等価性を数式上で判断することができれば便利である.このためには解法を定式化する必要がある.ここではこの考えから解法の文書化技法の一つであるHCP図法で表現された解法について,その一側面である処理の連なりに関する定式化を試みる.基本的には,処理の連なりは不要な飛び越しのない,いわゆるGOTO-lessであれば和と積の演算子をもつ代数で定式化できる.しかし,この形式化では連なりの意味が保存されないことがある.連なりには繰り返しや選択の処理要素における条件記述とこれに条件を与えている処理要素とが動作決定のために結合していることがある.この場合には分配律が成り立たなくなる.代数の適用にはこの動作決定のための結合を切る必要がある.ここでは,この措置として処理連なりの分解策をとる.処理の連なりを,結合に関与している連なりである「機構」部分と解法の入出力に係わり結合には関与していない連なりである「構造」部分とに分解する.この分解により得られる「構造」は解法を反映しており,適当な代数が定義できれば,「構造」の代数式変形によって解法の変形が推定できることになる.本論文では,S代数の定義,構造と機構の分解,構造の図上での変形とS代数式の変形との対応の保証などについて述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-06-15
著者
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