実時間性を重視した並列計算方式
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概要
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MIMD型の並列計算方式の高速の限界を探る意図のもとに,高速性をもっぱら追求した並列計算の一方式が述べられる.一般に並列計算の高速性は,(1)並列化能力を高めることと(2)演算間隔を短縮することによって得られる.(1)については,十分な個数の演算器を用意し,データの揃うことを発火契機とすることの有効さは知られているが,その際(2)の条件に困難さがあった.本論文では,この(2)に関して,もし与えられた問題に必要な並列数と同程度の個数の処理ユニット(PU)と同程度の入・出線数を持つスイッチマトリックスが使用できるならば,演算間隔を非常に短くする方法の存在することが示される.その方法の要点は,(i)結合ネットワーク,すなわちスイッチマトリックスの接点を出線側から制御することと,(ii)一つのPUに割り当てる演算群をある条件のもとに作られる線形順序集合として定めることにある.これにより,PU間のデータ転送における待ちが,緊急で広いデータについてのみに生ずるように,いいかえれば,データ転送の幅輳による計算実行遅延が発生させないような制御が可能である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-05-15