オンライン・システムのスループットの動作論的解析
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概要
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本研究は多数の端末装置を含み構成が複雑なオンライン・システムのスループットを推定する実用的な方法について論じる. 運用段階のシステムには設計段階で予期しなかった負荷条件が課せられることがしばしばあり, そのときにスループット上の隘路を摘出し, 考えられる改善策の効果を予測することが運用者の重要な責務である. 本研究は運用者が実稼動中のシステムから容易に入手できる動作変数を用いて全体のスループットを求める計算方法に関するものであり, 実存のシステムへの適用を試みの結果を示す. 計算に当たって5レベルの階層化モデルを作り, それぞれを待ち行列網として扱い, 最下位のレベルから順次動作論的方法によって解く. 下位の網の結果を上位の網に一つの合成待ち行列として組込むことを反復し全体システムのスループットを求めた. 計算結果は実測値に対する非常に良い近似であった. 実際のシステムでは少数の処理設備の能力がスループットの上限を決めていることが多い. 種々の改善策の効果の予測に前記の方法を用いる際, 各レベルの全処理設備について動作変数を測定する必要はなく, 最繁処理設備の負荷量と負荷の均衡の度合を表すパラメータがあれば, システムのスループットを実用的な精度で計算でき, この方法は運用段階のシステムでの簡便な性能評価に適している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-09-15
著者
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