図形処理端末のための分散処理方式の開発とその評価

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設計から製造までを一貫して計算機処理する総合的なCAD/CAMシステムを構築するには, 大型データベースを擁する大型計算機のTSSシステムと, それに回線接続するグラフィック端末を利用するのが, 段も現実的な方法である. しかしながら, 従来のTSSグラフィック端末はセグメント・バッファの内蔵により, 通信回線速度の遅さをカバーするなど図形表示速度の高速化には十分注意が払われていたが, TSSの応答特性である入力に対する応答時間のばらつきや遅さなどの対策はほとんどなされていなかった. 本研究の目的は, 中央計算機のTSS環境下でかつシングルタスクの制約下で稼動する応用ソフトに対しその入力に関する応答性向上を最重点においた分散処理方式を開発することにある. この目標を実現するために, 端末に, 入力プリミティブの集合であるコマンドの入力の全処理を行わせ, しかもコマンドの入力とその中央計算機側の応用処理とを, 同時並行的に行わせる方式を実現した. この結果, 中央計算機へのアテンション要求回数が80%程度削減し, 負荷分散に大きな効果があったこと, 並行処理によって中央計算機側の応答時間のばらつきを小さくできたこと, および, コマンドの処理性能を33%向上したことを実験により確認した.
一般社団法人情報処理学会の論文
1985-05-15

図形処理端末のための分散処理方式の開発とその評価

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