交換プログラム記述用並列処理言語の実現
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概要
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電子交換機のプログラムは, 実時間・超多重処理の典型であるが, いままでは効率重視のため逐次型言語を用いて多重トランザクション処理を実現していた. しかし, この方式はいわゆるOSとAPとの分離が不明確であり, 開発・保守の問題を複雑化していた. これに対処するには, 交換プログラムの記述に適した並列処理言語の実現が望まれる. 筆者らは, CCITTの交換機用言語CHILLに並列処理機能の提案を行い導入するとともに, 先にNTTで実用化したCHILLコンパイラに並列処理機能を追加した. 言語仕様では交換機向きに機能を適合させて効率よい実現を可能にしたこと, コンパイラでは交換プログラムでの経済性要求に沿うよう静的・動的効率を最重視した設計とし, かつ実行時ルーチンとのインタフェースを確立してその差替えで各種のスケジューリング等を実現可能にしたことなどが特色である. このシステムは, 現在開発中の画像用広帯域交換機に適用されており, 実用大規模システムヘの適合性も確認されている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-05-15