平均濃度近似による濃淡画像の2値化表示方式
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概要
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本論文は濃淡画像の2値表示の新方式について述べたものである. 濃淡画像を黒と白の2値により疑似的に表示する代表的な方式として, 組織ディザ法や平均誤差最小法がすでに知られている. しかしながらこれらの方法ではそれぞれ画質や処理量の多さが問題となっていた. 本方式はこれらの問題を解決したもので, 画質は平均誤差最小法と同程度, またハードウェア容量は組織ディザ法よりわずかに多い程度であり, さらに表示ドットの大きさや配列に依存することなく2値化を行え, また中間調の文字など微細構造を有する画像も鮮明に表示できる. 本方式は小領域内における黒点の占める面積比, すなわち平均濃度に基づいて2値化を行う方式である. この平均濃度はこれから2値化するドットとその周囲のすでに2値化の終了したドットについて計算され, これから2値化するドットの黒, 白の決定は, それが黒のときの平均濃度と白のときのそれを計算して, どちらが入力信号に近いかを調べ, 近いほうを採用することにより行われる. これを実現するハードウェアは基本的にはすでに2値化の終了したドット情報を蓄えるラインバッファと, ROM, 比較器のみでよい. このように本方式のハードウェア化は簡単であり, しかも画質がよいので, ファクシミリ, コピー, 写真製版等の各方面への応用が期待できる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-01-15
著者
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