待ち行列網モデルによる計算機システムの性能評価用ソフトウェア・パッケージQM-X
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は混合型BCMP待ち行列網を用いた計算機システムのモデル化に関する考え方と, それを具現化した性能評価用ソフトウェア・パッケージQM-Xについて述べる. 複雑化, 大規模化を続ける計算機システムの性能評価を短期間に少ない工数で的確に行うためには, 明確な方法論とその実現のための簡便なツール類が完備していることが必要である. 積形式解をもつ待ち行列網, とりわけBCMP型待ち行列網はその一つの有効なモデルとして広く研究され, これを基礎とするパッケージの開発も数多く報告されている. BCMP網の性能評価モデルへの応用に際してはおのおの独自の工夫がなされているが, 本稿で示す方法は次の点を特長としている. 混合型BCMP網に関する計算法を開発したことにより, 従来以上に柔軟なモデル化を可能にしたこと. プロセスの***状態を表現する遅延ノードの概念を導入し, このモデルの数値解法を開発することにより, 閉鎖型サブシステムにおいてもジョブの到着件数を利用者が直接指定できるようにしたこと. 系の状態確率を示す積形式表現のなかに推移確率行列の要素が陽に現れないことを利用し, 入力情報を必要最小限の理解しやすいものとしたこと. 状態確率が積形式表現にはならないプロセス待ち行列についての近似解を与えることにより, プロセス待ち時間の近似計算を可能にしたことなどである.
- 1984-07-15
著者
関連論文
- クラスごとに異なるサービス要求率をもつFIFOノードを含む待ち行列網の近似解法
- 「待ち行列」研究部会経過報告(5)(ペーパーフェア)
- 「待ち行列」研究部会経過報告(4)(ペーパーフェア)
- 待ち行列網モデルによる計算機システムの性能評価用ソフトウェア・パッケージQM-X
- 等負荷ノードをもつ待ち行列網の高速計算法
- 擬似ノード接続法による待ち行列網の近似解法
- ネットワーク : 積形式解の最近(待ち行列のいま)
- ATMのモデル化とその周辺(待ち行列-モデリングと解法-)
- 非積形式型FIFOノードをもつ待ち行列網の近似解法
- ブロック3重対角行列形の状態方程式をもつ待ち行列の数値解法
- パッケージQM-X : Queueing Network Model-EXtended(待ち行列網のパッケージとシミュレーター)
- 領域競合をもつ待ち行列の解析(待ち行列理論とその周辺)
- 優先権付き待ち行列網の近似解法(待ち行列理論とその周辺)
- 混合型待ち行列網の計算方法
- 混合型待ち行列網の計算法とその応用(待ち行列理論とその応用)
- 伊澤・小田両氏への回答
- 資源切り出し型待ち行列の解析