述語論理型言語における副作用によらない入出力と文字列操作
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概要
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Prologに代表される述語論理型言語は, プログラムを, その仕様に近い形で記述できることを大きな特徴とする. しかし入出力に関しては, 命令型言語と同様, 副作用を通じて行うことが多かった. 本論文では, 述語ではなく変数を通じた, 副作用によらないPrologの入出力を論じる. また従来の多くの言語の入出力は, データの転送と, 内外部表現間の変換を, まとまった機能として提供していた. 本論文では, 入出力はたんなる文字列の転送ととらえ, 変換操作は, 言語に文字列操作機能を用意し, それを用いて記述するようにした. これらの工夫により, 入出力の概念が単純でわかりやすいものになり, しかもその扱いが柔軟になったと考える. 順アクセス媒体との入出力は, たんなる文字列変数を通じて行えばよいが, データ構造の工夫により, 窓構造をもったディスプレイヘの出力も扱える. 文字列操作は, Prologのパターンマッチング機能を用いて簡潔に記述できる. 実行可能パターンの考え方をとりいれてパターンと述語とを統一的に扱うので, 文字列に導入した基本操作が連結のみであるにもかかわらず, パターンの記述能力は強力である. 提案する機能はProlog/KR上に作成中であるが, さらに効率のよい作成技法にもふれる. 残された課題には, 複雑なパターンマッチングにおけるバックトラックの制御などがある.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1983-11-15
著者
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上田 和紀
東京大学工学部計数工学科:(現)日本電気(株)c&システム研究所コンピュータシステム研究部
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中島 秀之
東京大学工学部計数工学科
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戸村 哲
東京大学工学部計数工学科
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中島 秀之
東京大学大学院情報工学専門課程
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戸村 哲
東京大学工学部計数工学科:(現)電子技術総合研究所ソフトウェア部言語処理研究室