2次元ブロック転送によるメモリ・アドレス制御方式の提案と文書画像処理への応用

概要

論文の詳細を見る
画像データは, 通常, ラスタ形式の1次元データに変換してメモリに格納するので, 画像上の隣接画素が連続メモリ・アドレスをもつわけでは必ずしもない. 本論文は, このような画像メモリヘのアクセスを高速化したアドレス制御方式(2次元ブロック転送方式)を提案する. 本方式は, アドレス空間上に分散した2次元画像データを, ソフトウェアの介在なく連続転送するものである. このために, (1)2次元領域の境界抽出と, (2)領域境界でのアドレス更新を, ともにハードウェア化し, 画像の切出, 合成, 平行移動, メッシュ分割, リピート・コピー, 斜交軸変換, 90゜回転, 微小角回転などのアドレス制御機能を実現した. 試作装置による実験では, 従来のDirect Memory Access方式に比べて, 本方式は, 切出合成処理を4.7〜26.7倍高速化した. また, 本論文の2次元ブロック転送方式を応用して, 文書画像の編集・保管・検系・復写・伝送機能をもつ文書管理システムを試作したが, そのシステム構成, 基本機能, 処理についても報告する.
社団法人情報処理学会の論文
1983-07-15