画像化された運動軌跡による動画像処理
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概要
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動画像処理における追跡の問題は, 静止画像処理における領域分割と同様に基本的で重要な問題である. 3次元運動系では, 物体同士が見かけ上重なり合うような場合が生じるため一般に, 画像構造が時間と共に変動する. よく知られた物体追跡の手法は2つのプロセスから成り立っている. まず物体像を検出する, つぎに各時刻で検出された物体像同士を対応付けることにより追跡を行う. この検出と対応付けに物体像パターンに関する情報を利用している. しかし物体像が変化した場合, 像パターンに関する情報は一定ではない. そのため追跡処理には相応の手続が必要とされる. 本論文で提案する手法は, 動画像より, 物体像の運動軌跡が描かれるような画像を合成し, 合成画像から直接運動軌跡を抽出し物体の追跡を行うものである. 本手法を街頭の通行状況の動画像に適用したところ, 見え隠れしながら運動している車や通行人の追跡が可能となった. 本手法は, 物体の像パターンではなく, 運動軌跡に関する情報を利用しているので, 画像構造の変動や像パターンの復雑さに影響されないのが特徴である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1981-09-15
著者
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