数値微分の誤差
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概要
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従来, 数値微分の誤差解析は, 打ち切り誤差を中心としたものが大半であり, 丸め誤差を考慮した誤差解析も, 定性的なものが多く, 定量的に扱った誤差評価式は, ほとんど1階微分に関するものに限られていた. また, 誤差評価の対象となった数値微分公式も, 限られた形のものであった. 本論文では, 数値微分の誤差解析において, 打ち切り誤差と丸め誤差を考慮し, 両者の和が最小となる最適刻み幅とそのときの誤差の評価を行っている. 与えられた数値微分公式について得られる最適刻み幅とそのときの誤差評価式は, 微分階数と計算桁数によって, 一般的に, あらわされており, 次のようなことがいえる. 1. 最適刻み幅とそのときの数値微分の誤差は, 関数f(x)と微分点xに依存する. 2. 一般に, 高次の数値微分公式(次数が高い公式は, 多くの離散点が必要である)ほど, 最適刻み幅は大きくなり, 数値微分の誤差は小さくなる. 3. 高精度計算を行うと, 数値微分の誤差は小さくなり, 最適刻み幅も小さくなる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1981-09-15
著者
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