組合せ回路における多重故障の検出
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概要
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多分岐出力のない組合せ回路(トリー回路)では,1重故障をすべて検出するようなテスト集合Tは, 3重以下の多重故障もすべて検出可能なこと(Gaultの定理)が知られている. しかし多分岐出力を含む組合せ回路では, Tで検出洩れを起す多重故障の例が存在するので, 検出洩れに強い多重故障用のテスト集合をいかにして求めるかが問題となる. これに対する解として, Diasの方法が知られているが, 回路のプール式表現に基礎を置くため, 小規模な回路にしか適さない難点がある. 本文では, Diasと別のアプローチで, より簡単に, 1終点再収斂回路の多重故障の検出に有効なテスト集合を合成する方法を導く. 最初に, Gaultの定理を基礎として, 再収斂のない多分岐出力組合せ回路において検出洩れが発生する条件とその機構を明らかにし, これに基づいて既存の2, 3の1重故障用テスト集合の作成方法を多重故障検出の見地から評価する. つぎに1終点再収斂回路に対する1重故障完全テスト集合の新しい合成方法(インタフェース整合法)を提案し, これによって生成したテスト集合によって検出し得る多重故障の範囲(少なくとも3重以下の多重故障はすべて検出可能)を明らかにする. また, 与えられた1つのテスト集合の下で検出洩れを起す多重故障を, 前記検出洩れ発生条件を利用して見出す, 比較的簡便な方法もあわせて提案する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1979-01-15