曲げ剛性を利用した頭髪のモデリング
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概要
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コンピュータ・グラフィックスにより,リアルな人間を表示可能にすることは,ニーズのある重要な課題である.しかし従来の映像生成の手法では,他の人体各部に比較して,頭髪の表現レベルが不十分である.また,容易に髪形を定義できるような,頭髭のモデリング方法も存在しない.これらの問題は頭髪の形状決定の際に,頭髪の物理的特性が考慮されていないことが原因と考えられる.そこで,頭髪の曲げ変形に対する剛性を考慮した物理シミュレーションを導入して,新しいモデリング方法を提案する。曲げ剛性を利用すると,頭髪の変形長はこれに作用する曲げモーメントの大きさから求められ,頭髪の変形の基本的性質をシミュレートできる.すなわち,頭髪の生え際付近では変形量が小さく,先端に向かうにつれて変形量が大きくなる性質である.そのため,本手法では頭髪の分け目やボリューム感が容易に表現でき,従来手法にないリアルな頭髪の表現が可能となった.また,頭髪をコンパクトな3次元のポリラインのデータで表現しており,多数のポリゴンで頭髪を近似する必要はない.したがって,グラフィックス・ワークステーションのハードウェアを利用して,高速なレンタリングが可能である.さらに,モデリング処理である頭髪の曲げ計算の時間についても,実用上問題のない範囲で処理できる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-05-15
著者
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