多重ループにおける最適ループ展開数算定技法
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概要
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プログラムの実行時間においてループ部分の占める割合は高く,ループ展開による最適化の効果は高い.従来は,最内ループのみの展開を行っており,多重ループが持つ高い並列性を引き出したり,多重ループ間における値の再利用を十分に行うことができなかった.入れ子になっている複数のループを同時に展開することにより,並列度の抽出が可能な範囲と値を再利用できる範囲を飛躍的に大きくすることができる.したがって,最内ループのみではなく,より外側のループも同時に展開したほうが,より高い並列化の効果が期待できる.並列化の効果は,対象となるループの繰返し間の依存関係および値の再利用の関係により決定され,最内ループのループ本体をどのようなループの組合せで展開するか(ループの展開方向),およびループを何回展開するか(ループの展開数)によって得られる効果が異なる.また,ターゲットマシンのリソースは有限であるため,展開の効果は飽和し,それ以上展開しても効果が得られない展開数が存在する.したがって,最大の効果を得るためには,繰返し間の依存および値の再利用,マシンリソースの各情報を十分に考慮し,最適なループの展開方向と展開数を決定しなければならない.本稿では,プログラムから依存や再利用の情報を獲得および表現する方法を確立し,それらとマシンリソースの情報を利用して,多重ループにおける最適に近いループ展開数と方向を見積る方法を述べる.
- 1996-06-15
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