入力推定型逆問題の色再現への応用
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概要
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カラーCRT, カラー・ハードコピー, カラー写真等の色出力機器へ所望の色を再現することを色再現と呼んでいるが, コンピュータ・グラフィクス(CG)の分野でも, この色再現の重要性が日増しに高まっている. 最近ではCRTに表示された色をさらにカラー・ハードコピー等で紙面に正確に印刷する要望が高まっている. CG画像の色をCRTに正確に再現する色再現方法はほぼ確立されている. しかし, 紙面への色再現はCRTのそれよりも数段難しい. 従来, 紙面への色再現についてはさまざまな研究があるが, いまだ信頼できるアルゴリズムを確立するには至っていない. 我々はCRTやカラー・ハードコピー等の色出力機器に関係なく, すべての色出力機器を対象とした色再現が入力推定型逆問題であることに注目した. しかし, 入力推定型逆問題を含む一般の逆問題は数学的には解の存在性や一意性の不明確性および不安定性という, いわゆる不適切性(ill-posedness)が障害となり, 解が正確に求められない場合が生じる. これがそのまま色再現の問題になっている. 本研究では新しく開発した補間逆推定法を用いてこの不適切性を解決し, 入力推定型逆問題を高精度に解いた. 色再現問題を入力推定型逆問題に定式化することにより, どんな色出力機器にでも適用可能な色再現方法を確立することができた. この結果, 本方法は従来法よりも格段に精度が良くかつ計算速度も早く, 入力推定型逆問題を色再現に導入することがきわめて有効であることが分かった.
- 1996-02-15
著者
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