PHIGS のジオメトリ演算のための並列処理方式の検討
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概要
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ポリゴンベースのレンダリングを行う三次元グラフィックスシステムにおいて,描画速度の高速化と表示画像の高品位化に伴って,ジオメトリ演算部の処理能力が高性能化のボトルネックになるようになった.このボトルネックを解消するために,ジオメトリ演算部に並列処理の導入が図られるようになってきている.また,今後開発されるグラフィックスシステムはグラフィックスインタフェースとして標準の地位を確立しつつあるPHIGSの採用が不可欠である.本論文では,PHIGSを採用した高性能三次元グラフィックスシステムの構築を可能にするジオメトリ演算部の並列処理方式について検討を行う.まず,プロセッサの使用効率などの面から均質型マルチプロセッサがパイプライン構造の並列処理より優れていることを定性的に示す.次に,定量的な検討を加えるためにプリミティブ単位のジオメトリ演算部内での処理量とデータ転送量を見積もり,さらにシステム全体の目標性能とジオメトリ演算部に要求される性能の関係を評価する.その結果,基本的にジオメトリ演算がコンピュテーションインテンシブであるため内部のデータ転送路に構造の簡単なバスを使用できることを示し,プログラミングモデルの単純さなどから共有メモリ型の優越性を述べる.そして,アーキテクチャとして共有メモリ共有バス型マルチプロセッサを採用する場合に,PHIGS特有のデータ構造から派生するプロセッサごとのTSL(Traversaal State List)の管理の問題を解決する処理方式およびそのハードウェア支援機構を提案する.
- 1994-01-15
著者
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