マルチメディア遠隔教育システムの評価と学習者インタフェースの検討
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概要
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マルチメディア遠隔教育システムによる分散型教育を実施し,遠隔教育システムの定量的な評価分析を行った.すなわち,システム構成の異なる二つの遠隔教育システムの比較を行い,システム評価に関与する重要要因の抽出,教授法ならびに中央教室と地域教室との差異について数量化分析をした.その結果,システムの評価を規定する因子として「トランスペアレントな伝達機能による学習意欲」「教授法」「臨場感」の三つを抽出した.これら三つの因子は,遠隔教育システムの「善し悪し」を決定づける重要な要因であることを明らかにする.そして,最適な学習者インタフェースを設計するには,この三つに着目して,改善.工夫すれば,より効果的な分散型教育が実現できることを述べる.特に「教授法」では,受講者に対し,情報を一方的に提示する「情報提示型」の教授法ではなく,遠隔地の受講者と絶えずコミュニケーションを行い,心理的距離感を少なくする「コミュニケーション型」教授法が重要であること,「臨場感」を高めるには,学習者インタフェースとなる情報提示装置(プロジェクタ)を大きくし,観視視野を広げる必要があることを提案する.そして,テレビ会議システムの遠隔教育システムとしての最適化について検討し,制御情報を活用した統合型システムの提案を行う.
- 1993-06-15
著者
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佐藤 文博
中央大学経済学部
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佐藤 文博
中央大 経済
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田村 武志
国際電信電話(株)
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上西 慶明
(財)日本情報処理開発協会中央情報教育研究所
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佐藤 文博
(財)日本情報処理開発協会中央情報教育研究所
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