VR的交通環境シミュレーションシステム
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概要
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この論文は, 3次元コンピュータ・グラフィックスで構成される仮想空間 (都市, 道路) を, 擬似的なハンドル, アクセル, ブレーキによって操作できる車輌に視点を置いてリアルタイム走行シミュレーションを行い, 設計の評価, 改良に資するためのシステムのコンセプト, 技術的な工夫, ユーザインタフェース, 実務への応用等について報告するものである. 近年, 3次元コンピュータ・グラフィックスは景観設計にも広く用いられるようになってきたが, リアルな画像を生成するには多大な計算時間を要するため, 実時間によるシミュレーションは困難で, これまでは静止画で済ませたり, あらかじめ長時間かけて計算された動画データを再生表示またはビデオ編集して表示しているのが実状であった. 本研究では, ハードウェアとしてSilicon Graphics社製, ONYX/Infinite Realityを使用し, 描画速度を上げるためにLOD等のテクニックを採用し, データ構造にも工夫を加えた結果, 10万ポリゴンの仮想空間を1280×1024の解像度で15〜30フレーム/秒の描画レートを実現することができた. 実務に応用した例では, 高速道路のインタージャンクションで, 片側2車線, ランプ数が13, ランプ延長12km, 最大高低差26m, 道路標識の数が35, 総ポリゴン数10万のモデルの実時間シミュレーンョンを行うことができた.
- 1998-01-15