文脈情報を利用した自然言語文における構造的曖昧性の解消
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概要
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自然言語処理で単語間の係り受け関係の曖昧性を解消する際に,文脈内の同じ語の振舞いを参照し実用的なレベルで文脈情報を利用することにより処理の精度を高める手法を提案する.さらに実験結果を通じてその有効性を示す.あらかじめシステムに辞書などの形で蓄えられた知識だけでなく,処理対象の文章から動的に抽出した情報を用いることで,知識の不足を補うことができる上に,文脈に適した解釈を優先させることができる.本手法は,文脈内で繰り返し出現する語句の係り受け情報を参照するという単純な処理で構成され,複雑な推論機構や文脈処理用の特別な知識に依存しないため実用性が高い.英文の計算機マニュアルを用いた実験では,前置詞句の係り受けの曖昧性解消において,距離的に最も近い候補にかける場合の成功率69.7%に対して,本手法により82.6%の成功率が得られた.さらに,多品詞語や複合語,並列構造などの存在から複数の木構造が生成される場合に,正しい構造を選択する問題では,文脈を考慮しないヒューリスティックスでは74.5%であった成功率が,文脈の参照により89.1%へと向上した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-10-15
著者
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