GILO/Z : オブジェクト指向仕様記述のためのZ記法の拡張
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概要
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開発上流工程の生産性向上ならびに設計品質向上を進める上で大きな影響を与える技術として,オブジェクト指向技術と形式仕様技術が注目されている.本稿では,形式仕様言語としてZ記法を取り上げて,そのオブジェクト指向拡張記法について提案する.Z記法はモデルベースの仕様言語であり,対象システムを状態と操作の集まりとしてモデル化する.一方,オブジェクト指向概念で用いられる「オブジェクト」は状態と操作を持つ実体である.そのため,オブジェクト指向ソフトウェアに形式性を持ち込む手法としてZ記法は相性が良いと考えることができる.ところが,オブジェクト指向技術は,情報隠蔽,性質継承,多相性,オブジェクトの状態,等といった複雑な概念からなり,すべての側面を厳密に表現する体系がないのが現状である.特に,Z記法に基礎を与えるZF集合上にコード化することは困難である.提案するオブジェクト指向拡張Z記法GILO/Zは,Z記法への構文的な拡張と仕様スタイルの組合せという混合手法を採用し,表層構文から基本構文への構文的な書き換えにより性質継承や多相性を扱う方針を採用した.特に,基本構文からなるZ記法の拡張言語について表示的手法により厳密な意味を与えられることを示す.これはオリジナルのZ記法に対する表示的意味の自然な拡張になっている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-05-15
著者
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