BSD UNIX上での移植性に優れた軽量プロセス機構の実現
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概要
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近年,一つのプロセスの中に,概念的に小さなプロセス(軽量プロセス,スレッドとも呼ばれる)を複数走らせ,それぞれに独立した処理をさせることができる機構が注目されている.UNIX上でも軽量プロセスを実現するいくつかのライブラリが存在しているが,それらは特定のアーキテクチャに依存しており,移植性が低いという問題点があった.そこで本研究ではBSD UNIX上での移植性の良い軽量プロセス機構の実現法を検討し,実際にそれを実現するライブラリを作成した.ライブラリの実現に当たっては,アーキテクチャに依存せずにスタックポインタを設定する方法,スレッドが用いる各スタックを自動的に拡張する方法,等が問題となるが,それぞれの対策を工夫し解決した.このライブラリは特定のアーキテクチャに依存しないため,軽量プロセスを利用したプログラムも様々な計算機上で稼働させることが可能となった.作成したライブラリが,SunOS4, Ultrix4, DEC OSF/1, NEWS-OS4, BSD/386等,数多くのアーキテクチャ上で実際に動作すること,および,特定のアーキテクチャに依存した他の軽量プロセス機構と比較しても遜色ない速度で動作することを確認した.
- 1995-02-15
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