メトリクスによるソフトウェア品質管理法とその評価
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概要
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上流工程で品質を計測および評価する方法として,品質メトリクスを用いる方法(SQM)が提案され,その有効性がすでに報告されている.しかし,品質メトリクスの実施例がまだ少なく,品質要求定義やメトリクスの導出など,作業の詳細が明確になっていないため,品質評価方法として適用するには再現性に問題があった.本論文では,品質メトリクスによる品質評価法の詳細を定め,それを実際の開発プロジェクトに適用・分析した結果を報告する.具体的には,以下の(1)から(3)に示す方法が有効であることを明らかにした.(1)品質メトリクスの適用に際して,ユーザの品質要求分析を的確に行うために,アンケート,一対比較法および文章分析法による品質要求分析法を併用する.(2)メトリクス導出のガイドとして,過去に使用したメトリクスをSub. criterion,および工程ごとに分類整理したデータベースを用意する.これにより,メトリクス導出が容易となるだけではなく,メトリクス導出の抜けと偏りを防ぐことができる.(3)メトリクスごとに品質向上の効果とその要因を分析することにより,各メトリクスの有効性の評価と設計法へのフィードバックを行う.さらに,品質メトリクスの適用により,品質向上と開発工数削減に有効という直接的な効果だけではなく,開発担当者のモラルの向上という間接的効果が得られることも示している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-01-15
著者
-
竹中 市郎
久留米工業大学
-
古山 恒夫
NTTソフトウェア研究所
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三宅 武司
NTTソフトウェア研究所
-
中川 豊
NTT情報システム本部
-
三宅 武司
Nttソフトウェア株式会社
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中川 豊
Nttソフトウェア株式会社
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