(10)根部エンドファイト利用によるハクサイ根こぶ病抑制条件の検討
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概要
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根部エンドファイトHeteroconium chaetospiraを用いた圃場におけるハクサイ根こぶ病の生物防除の確立を目的とし,ピートモス接種法(H.chaetospiraの感染率70-75%)を用いて,ハクサイ根こぶ病の抑制効果試験を菌密度,土壌水分量,pH及び土壌の種類を変え,ポットで行った.低水分量(40,60%)の時H.chaetospiraによる根こぶ病の抑制効果は著しく,菌密度10^4,10^5個/g乾土において対照区の発病度30,76に対し,それぞれ0,4であった.水分量80%では効果がなかった.土壌pH5.5〜7.2の範囲ではpHに関係なく抑制効果が高く,菌密度10^5の時,対照区の発病度はpH5.5で63,pH7.2で29に対し,H.chaetospira接種区ではpH5.5で6,pH7.2では0であった.黄色土,沖積度,黒ボク土の順に発病が抑制され,H.chaetospira接種により更に高まり,菌密度10^5の時,黒ボク土では対照区の発病度18に対し0であった.以上から,水分条件,菌密度,pH,土壌の種類を考慮することで,H.chaetospira接種による根こぶ病の防除効果は更に高まることが示唆された.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
-
成澤 才彦
茨城農総セ生工研
-
羽柴 輝良
東北大院農
-
成澤 才彦
茨城生工研
-
羽柴 輝良
東北大院農学研究科
-
薄 史暁
茨城生工研
-
志村 美保
東北大院農
-
福原 誠司
東北大院農
-
青葉 登志子
東北大院農
-
薄 史暁
(財)園研
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