ピア・レビューをともなうグループ学習の評価 : 一斉型プログラミング授業への適用(教育)
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概要
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情報系の学部カリキュラムの中に,専門基礎としてプログラミングに関する科目がある.近年の大学生は,基礎学力や学習意欲の面で多様化している.そのためこの種の科目では,従来の一斉講義や演習授業の形態では,学習目標の達成が難しくなっている.したがって,学生の理解の程度に応じた個別指導や習熟度に応じた授業などが要請されているが,指導体制や教室設備などの問題も多く,現状の授業形態を大きく変えることが難しい.そこで,従来の一斉授業を維持し,一部にグループ学習を組み合わせる方式を提案する.数名の学生でグループを編成し,グループ内で相互に教えあい,自ら不足している知識を補強しながら課題に取り組む.特にフローチャートについては,学生同士による評価(peerreview:ピア・レビュー)を取り入れた.グループ学習後の学生アンケートを因子分析した結果,以下の3因子が抽出できた.(1)お互いに教えあうことでプログラミングやフローヂャートの理解が大幅に向上した(グループ学習の効果).(2)評価をすることによって,プログラミングの良い具体例を見ることができた(レビュアの利得).(3)レビューの結果,フローテャートの誤りが発見できた(レビューの効果).さらに,学生を成績の上位群と下位群に2分し,両群の因子得点のt検定から,グループ学習の効果とレビューの効果は,下位群に対して有意に高く,グループ学習の目的とする効果が確認できた.レビュアの利得に関しては,両群に有意な差がないことが確認できた.ピア・レビューをともなうグループ学習は,一斉授業の学習目標を達成たせるために有用である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2004-09-15
著者
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