機械工業地域における就業構造の特質 : 岡谷市を事例として
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概要
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筆者は先に四日市市における就業構造の変化を明らかにした.本稿でも,四日市市の場合と同様に,中学生を持つ世帯を対象に就業状況調査を実施し,その結果を基にして,機械工業地域である岡谷市ではどのような就業構造が展開するのかを考察した. 岡谷市では,第二次世界大戦中に疎開した親工場を中心に,戦後,精密機械工業の集積が進んだ.その後のエレクトロニクス化のなかで,業種上の変化はみられたが,機械・金属工業への偏りはいっそう高まった.立地する工場は生産機能を中心としており,労働力雇用も現業労働力を中心に,その大部分を地元に依存している. このような状況下,若年層の多くは学校卒業後,地元の機械・金属工場に就職し,男子は主として技能工などの現業職に,一部は事務職や技術職に従事し,女子は主として事務職に,一部は現業職に従事する.その後,男子は結婚等により独立して主として市内で転居するが,転職することは少ない.女子は結婚により多くがいったん退職する.結婚後,育児期間を終えた妻は再就職するが,学卒時よりいっそう機械・金属工場に集中し,しかも大部分が現業職のパートとなる.岡谷市外から市内の工場に就職するものもいるが,ほとんどは近接市町村出身者で,広義の地元出身者である. 四日市市と比較して岡谷市では,住民は機械・金属工業との関わりがとくに大きく,その他の工業や,販売・サービス業との関わりが小さい.また,専業農家はほとんどみられず,農作物を栽培している世帯でも,自給用の野菜を栽培しているのが主である. このように,岡谷市には機械・金属工業の現業労働力主体という就業構造が形成されており,しかも,こうした就業構造はすでにかなり以前から形成されていたものと思われる.
- 1996-09-30
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