東北地方における自動車交通のアクセシビリティ変化
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概要
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交通現象は, 多種多様な要素が複雑に関連して形成され, また時間と共にその構造も変化していく. したがって, 交通アクセシビリティを用いて地域構造を把握するためには, アクセシビリティ測度の概念を, その地域の交通現象に的確にあてはめることが重要である. 本研究では, 近年状況が激変している自動車流動が正確に反映されるポテンシャル・アクセシビリティモデルを構築し, 東北地方における1971年から1994年にかけてのアクセシビリティ値の変化を求め, 変化をもたらした要因を探った. 分析の結果, 以下の4点が明らかになった. 第1に, 都市間の高速道路の有無により, 自動車流動量の差が大きいことが明らかになった. そのため自動車流動を扱う際には, その都市間道路の質の差を考慮に入れる必要がある. 第2に, 研究対象期間中に乗用車はモータリゼーションの深化により短距離のトリップ数が急増した一方で, 貨物車の流動は道路整備の恩恵を受け長距離化が進んだ. 第3に, 乗用車に比べて貨物車のポテンシャル・アクセシビリティが飛躍的に向上した. 第4に, 求められたアクセシビリティは, 乗用車に関してはDID人口と正の相関を示し, 貨物車に関しては経済的な指標と相関する.
- 経済地理学会の論文
- 1998-03-31
著者
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