胚移植の数学的モデルによる胚因子・子宮因子の評価と年齢変化,および適切な移植数について
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概要
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胚移植数に関する2つの数学的モデル,すなわち胚の着床率"p"の1パラメータモデルと,胚因子のスコア"e"と子宮因子のスコア"u"との2パラメータモデルとを比較した。小塙医院(茨城県)で413周期に949個の形態良好胚を移植した集団Aを無作為に集団B(200周期,460個)と集団C(213周期,489個)に分け,集団Bの結果から最尤推定法でp=0.12, e=0.30, u=0.41を得た。2パラメータモデルが集団Cの結果に良く一致した。年齢で(1)20〜29歳e=0.42, u=0.54,(2)30〜34歳e= 0.34, u=0.50,(3)35〜39歳e=0.25, u=0.48,(4)40歳以上e=0.13, u=0.44と"e"は低下し,(1)と(4),(2)と(4)に有意差(p<O.05)を認めた。"u"に有意差はなかった。全年齢に対するe=0.30, u=0.41から移植数と総妊娠率,単胎・双胎・品胎以上の妊娠率を計算した。多数を移植しても総妊娠率の上昇は鈍り,単胎妊娠率は2,3個が最大で,品胎以上の妊娠率が上昇した。2個の移植が適切と考えられた。
- 杏林医学会の論文
- 2003-12-30