低電力化に適するオールデジタルAD変換方式の開発
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概要
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今日,ウエアラブル機器を含めた各種電子システムにおいて,低消費電力で低コストなAD変換技術が求められている.そこで,微小電圧,あるいは,微小時間を高分解能で数値化する,新規アーキテクチャによるオールデジタルAD変換方式を提案する.本方式では,AD変換電圧でパルス遅延回路の遅延速度を変調し,所定時間(サンプリング周期)内にパルスが通過した遅延ユニット段数を直接数値データとする.パルス遅延回路をリング状にした"リングディレイライン"により,小型化と高精度化を同時達成した.0.8μm CMOSテストICにより,12μV/LSB (10kSampling/s)の高分解能を確認した.また,サンプリング周波数を変えることで所望の分解能を設定できる.温度ドリフト等の補正は,基準信号との比をとるデジタル処理で対応する.更に,本方式は,移動平均効果によるフィルタ機能を有し,AD変換と同時に高周波ノイズを除去するため,高精度な信号検出が可能となる.
- 社団法人日本時計学会の論文
- 2003-09-10
著者
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