III.血管作動物質の臨床的意義(公募)
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概要
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ナトリウム利尿ペプチドがcGMPを介して活性を発現するのに対して, 最近, ラット血小板のcAMP上昇活性を指標にして強い降圧活性を示すペプチドが見いだされ, アドレノメヂュリンと命名され, 新しい循環調節ペプチドとして注目されている.一方, 血管内皮細胞由来の血管作動物質としてエンドセリンやNOも, 血管トーヌス調節因子として働き局所血流量の調節に関与している.一連のこうした新しい血管作動物質は, カテコールアミンや, レニン・アンジオテンシン, アルドステロン系と拮抗しながら, 生体のホメオスターシスを維持している.最近のデータによれば, こうした血管作動物質は血管トーヌス調節にかかわるだけでなく, 細胞増殖や分化, あるいは遺伝子の発現調節にも関与する可能性が指摘されている.このように, 多くの血管作動物質が発見され, その化学構造ならびに性質が解明され, 多くの興味ある特徴が注目されるようになった.しかし, これらの物質が, 実際の生体において, 特に循環器疾患の病態といかなるかかわり合いを持つかについては, まだ明らかではない.本シンポジウムでは, 主に新しい血管作動物質を取り上げ, 生体の循環調節異常の病態, 心血管病の発現にかかわる役割について発表していただきたい.
- 1995-04-20
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