英文学における自然観の変遷 : Ted Hughesの動物詩
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概要
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イギリスの詩人テッドヒューズ(Ted Hughes(1926-1998))の作品の中には動物を主題にしたものが多い。生まれ育ったYorkshireの農場や山野で出会った動物たちである。動物を主体とした自然に対する彼の考え方は、一連の同時代のアメリカ自然詩人たちのそれとは少し違っている。アメリカの自然詩人たちの詩に登場する動物たちは野生の存在で、詩人たちは彼らを人間界とは異なった自然界の住人とみなすことが多いのに対して、ヒューズは動物をもっと身近なもの、たとえば、狩の対象となるもの、動物園のおりの中の存在としてみている。ヒューズにとって動物は人間の営みの犠牲者であると同時に自分の創作の源でもある、何か特別な存在であったといえる。晩年のヒューズは動物に代表される自然をその醜さ、残酷さを含めて崇高なものとしてみることができる境地に達したといえる。また、ヒューズの動物観は彼の人生におけるさまざまな出来事を通して変化している。ヒューズの動物詩を初期、中期、そして晩年と分けてみると、詩人の自然観・人生観の変遷を知ることができる。
- 2004-03-29
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