平安時代の形容動詞 : ゲナリと〜カナリ
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概要
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本稿では,平安時代を代表する二つの形容動詞,〜ゲナリと〜カナリの量的側面に焦点を当て,中古散文作品における語使用の状況を中心に比較・対照し考察を行った。その結果,平安初期から中期の作品においては〜カナリの比率(異なり語数・延べ語数共)が高く,それ以降の作品では〜ゲナリは語の種類(異なり語数)は増加するものの,使用率(延べ語数)では〜カナリを凌ぐには及ばず,依然として〜カナリの方が優勢であることがわかった。このような使用状況に差異が現れた背景には,両形容動詞の歴史性の違いが大きく関わっている。つまり,形容動詞〜カナリはすでに前時代に存在する同じ語基をもつ〜カニという形態の情態副詞にアリが下接し,それが縮約を起こして成立した副詞分出型の語が元来のものであるのに対して,〜ゲナリは平安時代に入ってから新しく形成された新造語型の語彙であり,造語法におけるこうした歴史性の違いが両者の使用状況の差異として現象化したものと考える。
- 2001-03-31
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