固體の内部歪のラヂオグラフに依る新研究法
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概要
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固體内部の機械的歪を試料の形態を變化することなく、その儘の状態に於て研究する目的にX線ラヂオグラフの方法が利用されることを確めた。任意の物質A中にこれと化学作用を起さずして、密度の異る物質Bの極少量を線状、破線状又は粉末状として鑄込み、これにて任意の形の試料を造り、そのラヂオグラフを2つの異る方向より撮れば、物體A中に於る物體Bの位置は投影畫法と全く同一の理論に依つて判明する。この様な寫眞を變形の前後に於て撮れば、Aの内部變形は試料中に於るBの位置の變化によつて決定し得る。以上の如き考への下に、銅又は鉛の細線を含むパラフィン蝋及びタングステンの細線を含むアルミニゥムを試料として實驗を行ひ、この方法の可能なることを認めた。試料の製作、寫眞撮影の装置に對する注意事項も記述してある。
- 一般社団法人日本機械学会の論文
- 1934-12-01