水車放水管内のキャビテーションとそれに起因する放水管の振動に就て
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概要
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反動式水車では流量が或る量に減じたる時に放水管内に空虚(キャビテーション)を生ずるもので、空虚が正に發生せんとする時の流量の割合ひn_cは次の公式から算定せらるる。[numerical formula], 但し[numerical formula], n_cは正規流量に對する現在流量の比、p_0は放水壓、p_cは空虚壓、ρは單位容積の水の質量、uは羽根車外圍の圓周速度である。放水落差の高きほど、又空虚壓の高きほど空虚は生じ易きものである。流量が減ずれば空虚は次第に大いさを増し、空虚の大いさと流量との關係は可なり複雜ではあるが、算式を以て表示し得る。空虚は放水管上端に於て最大で、下方に到るに従ひ幾分其の大いさを減じ、其の形状大凡〓叺形で、通例放水路の床面に達するものである。空虚は空氣及び水蒸汽の混合瓦斯を以て満たされたる空間であつて、此の混合瓦斯は空虚の外圍に於て螺旋状に吹き下ろされ、中央部に於ては螺旋状に吹き上げられ、一種の混流状態にあるものである。空虚と其の周圍を螺旋状に流れ下る水との接觸面は極めて不安定なる状態にあつて、流量、回轉度等の急突なる變化によりて振動を起し易く、振幅が空虚の半徑に比して小であり且つ流量0なる近傍を考へぬならば此の振動は單弦運動に近似し、其振動数fは次の公式を以て計算せらるる。[numerical formula]但しωは羽根車の同轉する角速度、nは正規流量に對する現在流量の比である。空虚は其半徑甚だ小なる時と甚だ大なる時とは共に烈しい振動は起らない。最も激烈なる振動は流量が或る量に減じたる時に起るものであつて、其の流量と振動の強度とは各水車の大小及び設備の如何によりて固有なるものである。放水落差高きほど、又水車が高速度で且つ高落差であるほど激烈なる振動早く起り、且つ振動の強度は大きい。放水管内に空氣を注入すれば、場合によりでは振動激烈となり、場合によりては振動微弱となる。放水管の振動は概して音を伴なふけれども、振動数は放水路に近付くほど減小し、断面ごとに振動数が異なるから、放水管の振動に伴なふ音は複雑なる混合音である。
- 1930-04-18
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