Toll様受容体
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概要
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生物は, 病原体から身を護るシステムとして免疫系を構築してきた. 無脊椎動物や植物を含む多くの真核生物は生体防御の手段として自然免疫系を発展させた. 一方, ほ乳類を含む脊椎動物の多くは, 自然免疫系に加えて獲得免疫系を樹立することで, 自然免疫系では得られない「免疫記憶」という, 画期的な武器を獲得したが, 同時に「自己免疫性疾患の可能性」という制度矛盾も抱え込むことになった. このように, 自然免疫系は, 多くの生物の生体防御を単独で担い得る事実から鑑みるに, それ自身完結した, 強力なシステムと位置付けることができる. ショウジョウバエが保有するTollもその一例である. ショウジョウバエはTollを介したシグナル伝達系を駆使して生体防御を実行する. 実際, Tollに変異のあるハエは感染死する. ヒトやマウスも, Tollに類似したToll様受容体(Toll-like receptor;TLR)を自然免疫シグナル受容体として保有することが最近明らかになり, TLRが脊椎動物の生体防御に必須であることが証明されるに至った.
- 日本アレルギー学会の論文
- 2005-01-30
著者
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