スギ花粉粒子の形態的変化と主要抗原の溶出との関係

概要

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スギ花粉からの主要抗原 (Cry j 1, Cry j 2) の溶出における花粉粒子の形態的変化の影響について検討した。FRENCH^<【○!R】> Pressure Cell Pressを用いた高圧負荷により破砕処理を行ったスギ花粉抽出液では, 破砕処理を行わない溶媒抽出のみの場合と比べ主要抗原溶出の促進が認められ, 特にCry j 2の溶出が著明に増加した。このことは, スギ花粉粒子の細胞質内に含まれるCry j 2が従来考えられていたよりも多量に含有されていることを示唆している。また, スギ花粉をアレルギー性鼻炎患者より採取した鼻汁とin vitroで反応させ, 主要抗原の溶出を観察した。鼻汁により主要抗原溶出の促進が認められたが, 抽出液中の含量はCry j 2よりもCry j 1の方が多かった。鼻汁との反応においては, Cry j 1の存在する花粉外壁の著明な破裂が観察されるもののCry j 2を含有する細胞質の形態的変化には乏しく, そのためCry j 1が優位に溶出したと推察される。
日本アレルギー学会の論文
1997-12-30