経皮的酸素分圧値を指標としたヒスタミン吸入閾値測定の試み
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概要
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経皮的酸素分圧値(tcPo_2)を指標として, ヒスタミン吸入閾値の測定を試みた.対象は気管支喘息児12名と非喘息児4名である.12名(喘息児9名と非喘息児3名)についてヒスタミン吸入後のPEFRとtcPo_2の変動を同時に測定した.各々の測定値を基準値に対する変化率で表し, 両者の相関性を検討したところ, 有意な正の相関関係が認められた(n=65, r=0.72, p<0.001).同様に残り4名(喘息児3名, 非喘息児1名)についてヒスタミン吸入後のFEV_<1.0>とtcPo_2の変動を測定し, 各々の変化率の相関性を検討したところ, 両者は有意に正の相関関係が認められた(n=15, r=0.89, p<0.001).PEFRまたはFEV_<1.0>の低下率が20%以上の時, 1名を除きtcPo_2の低下率も10%以上となり, 残り1名も1段階濃い溶液吸入で10%以上低下した.PEFRまたはFEV_<1.0>の低下率が20%未満の時, tcPo_2の低下率も全例10%未満であった.以上よりtcPo_2はヒスタミン吸入閾値測定などの気道過敏性の指標の一つとして臨床応用が可能であると考えられた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1984-12-30
著者
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