Slow Reacting Substace of Anaphylaxis (SRS-A) を主体としたモルモット喘息モデルでのCa^<++>拮抗剤, NifedipineおよびNicardipineの効果
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概要
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著者は, モルモットを用いてleukotriene C_4およびovalbuminで受身感作した抗原吸入時のSRS-Aによる気道反応に対するCa^<++>拮抗剤, nifedipineおよびnicardipineの効果を検討した.気道内圧(Pao), 肺粘性抵抗(R_L)および動肺コンプライアンス(C_<dyn>)を小動物用体プレスチモグラフを用いて測定した.ovalbumin負荷後, Pao, R_Lおよび1/C_<dyn>は3分から30分まで上昇し, 10分に最大値となった.Leukotriene C_4吸入により同様な変化がみられたが, 最大値は吸入後5分であった.nifedipineおよびnicardipine 7μg/kg/min, をleukotriene C_4および抗原吸入10分前より40分間持続静注した.nifedipineは, 抗原吸入時のSRS-Aによる気道反応を3分から30分まで抑制し, 反応最大値を5分遅らせた.またleukotriene C_4吸入時の気道反応を5分から30分まで抑制した.さらにleukotriene C_4による気道反応よりも抗原吸入による気道反応を著明に抑制し, これらの抑制作用は, R_LよりもC_<dyn>において顕著であった.nicardipineもまた抗原吸入時の気道反応を抑制し, 反応最大値ではC_<dyn>よりもR_Lにおいて抑制が大きい傾向がみられたが, nicardipine leukotriene C_4吸入時の反応を抑制しなかった. これらの事実および文献的考察によりnifedipineはmast cellからのSRS-Aの 成および放出を抑制し, かつ放出されたSRS-Aによる気道平滑筋の収縮をも抑 するが, nicardipineはmast cellでのSRS-Aの合成を抑制するものと思われる.
- 一般社団法人日本アレルギー学会の論文
- 1984-01-30
著者
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