細胞電気泳動法によるリンパ球の研究 : 第1編 正常人末梢血リンパ球の細胞泳動法によるSubpopulation 特にTおよびBリンパ球との関連について
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概要
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正常人10名の末梢血リンパ球をConray-Ficoll法により採取, 150-200個のリンパ球EPMを円筒型細胞泳動装置を使い, micro injection法により測定し, 各泳動度別頻度ヒストグラムをもとめ, Gaussの正規確率紙を用いて分析すると, 正規分布をなす2群のsubpopulationに分かれた.速度の速いI群(69%)のmean-EPMは-1.21±0.07で, 速度の遅いII群(31%)のそれは-1.07±0.05(μ/sec/V/cm)であった.さらにBSA濃度勾配法によりリンパ球を9分画にわけ, 各分画のEPMとロゼット形成能を同時に測定すると, 4, 5分画のリンパ球はI群に相当し, T-cellは80-98%であり, 7, 8, 9分画はII群に相当し, T-cellは15%であった.B-cellのみよりなるCLL患者およびnude miceの実験成績を考慮すると, 正常人末梢血リンパ球は細胞泳動上2群よりなり, 泳動度の大なるI群はT-cellに, 小なるII群はB-cellであろうと結論した.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1976-01-30