アナフィラキシー・ショック時の心電図変化に関する実験的研究
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概要
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ウサギの実験的アナフィラキシー・ショック時の心電図変化とその発生因子を検討した.ア・ショック時には, 心電図変化として能動的異所性収縮を主とした不整脈と ST・T 変化がみられ, 同時に血圧下降, 頻数呼吸, 右室圧上昇がみられた.発生因子の検討で, 血圧下降 (動脈出血による) や呼吸障害時 (ヒスタミン吸入, 気管閉塞) の心電図所見はア・ショック時と全く異なつたが, 流動パラフィン静注による肺栓塞実験では右室圧の上昇などとともにア・ショック時にかなり似た心電図変化がみられた.セロトニン静注では血圧下降や右室圧上昇等とともに, 心電図では洞徐脈がみられたのみであつた.しかし, ヒスタミン静注では血圧は不定変動を示したが, 右室圧上昇や頻数呼吸とともにア・ショック時とほぼ同様の心電図所見が得られた.これらのことからア・ショック時の心電図変化の主因としては, 抗原・抗体反応の結果生ずる chemical mediator であるヒスタミンと, antigen-antibody precipitates よる肺栓塞とが考えられる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1973-08-30
著者
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