喀痰の免疫血清学的研究 : とくにその抗原性成分について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
慢性閉塞性呼吸器疾患患者の喀痰について免疫血清学的に検討を加えた結果, 以下のごとき成績を得た.1.喀痰の経気道免疫法により得られた抗血清 AEx_1 および経皮下免疫法により得られた抗血清 ASp_1 と喀痰とを, 寒天ゲル内沈降反応により検討した結果, 前群では8例中6例に数本の沈降線が, 後群では5例全例に濃厚な沈降線が認められた.2.慢性閉塞性呼吸器疾患患者10例の喀痰中の血清成分について, ゲル内沈降反応により検討した結果, 喀痰に含まれる成分として, Pre, Alb, α_1AG, α_1AT, CP, α_2M, HP, Tf, γA, γG, γM の計11種の血清蛋白成分が検出された.3.抗血清 AEx_1 および抗血清 ASp_1 とを, 喀痰との間の免疫電気泳動 pattern により比較検討した結果, 前群では6例中2例に抗アルブミン抗体に相当する沈降線の形成が全く認められなかった.4.喀痰中の抗原性物質として, 泳動上, それぞれ α_2 領域および β_1 領域に存在する3つの成分が証明された.これら3つの成分は, 少なくとも血清成分には存在しない成分であることも確認された.
- 1971-11-30
著者
関連論文
- Single Breath法による一酸化炭素肺拡散能力の測定値(DLCO)に関する検討,特に肺の換気・血流の不均等分布が与える影響について
- 喀痰の免疫血清学的研究 : とくにその抗原性成分について
- 各種呼吸器疾患における血清免疫グロブリン (IgG, IgA, IgM) のレベル, および, それらと血清蛋白分画値との関係にかんする研究