遅延型アレルギーと補体との関係について(第1報) : 除補体操作(Decomplementation)の遅延型アレルギーに及ぼす影響について
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概要
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東京大学医学部内科物理療法学教室 遅延型アレルギーと補体との関係について, 結核感作モルモットを脱感作して, その前後の血中補体価の変動を測定した結果については, 以前に報告したが, その中で血中補体価の変動は, 遅延型アレルギーに平行するというよりはむしろ, 流血抗体の変動に随伴した現象として観察された.今回, 著者はより直接的に遅延型アレルギーと補体との関係をみるために, 結核感作モルモットにdecomplementationを施して, ツベルクリン反応におよぼす影響をみたのでその結果を報告する.1. Systemic decomplementationのツベルクリン反応に及ぼす影響.強力な補体結合能力を有するヒト変性ガンマグロブリンおよび補体第3成分(C3)を阻害するコブラ毒を用いてdecomplementationを行ない, 50%から最高95%前後まで血中補体価は減少したにもかかわらず, ツベルクリン反応にはその影響が見られなかった.2. Local decomplementationのツベルクリン反応に及ぼす影響.補体第5成分(C5)を阻害するCu-Chlocophyllin, 補体第3成分(C3)を阻害するphlocodin, コブラ毒を用いて, モルモットの背部に各材料をリング状に注射してdecomplementationを行ない, 長時間にわたって補体の作用をブロックし, 中心部において, ツベルクリン反応ならびにPCAを行なった.結果は用いた材料の抗補体作用の力価に相応して, PCAは減弱化の傾向がみとめられたが, ツベルクリン反応は影響が認められなかった.結論として, 血中補体価を低下させるために, systemic decomplementation組織中の補体の作用をブロックするために, local decomplementationを行なったが, いずれの場合にも, ツベルクリン反応は影響を受けることがなく, 遅延型アレルギーにおける補体の積極的な関与は証明することができなかった.
- 1971-01-30
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